デザイナーですというとチラシとかホームページを作ってるんですか? おいくらですか?といきなり聞かれる事があります。考えようによっては失礼な話ですよね?
祖母は、わたしがデザイナーになった時、どんな服を作ってるのかいと聞いてきました。彼女の頭にはデザイナーと言えば森英恵しかおらず、毎日みる新聞の下段の広告や新築マンション折り込みチラシを作ってるデザイナーの存在に気づきもしないのだと思います。
スマホでこの記事をみてる時、上の時計や電波の強さ、バッテリーの残量表示を誰が考えたのだろう。これらはプロダクトデザインの1領域、UXデザイナーとうい人達が設計しています。そしてわたしは、このUXデザインとウェブデザインを往復する形で約30年間デザインしてきたのです。
カーネギーメロン大学が考えたデザインの広がり
ソニーが考えたデザインの広がり
1960年代頃から言われ始めた「デザイン思考」という考え方がビジネスの世界で話題になるにつれデザインが対象とする領域はどんどん広がって行きました。
スタンフォード d.schoolの考えた1番有名なデザイン指向のフレームワーク
日本でも2018年に経済産業省と特許庁によって発表された“「デザイン経営」宣言”は、経営においてデザインの考え方がなぜ大切になるのかを示した、日本のデザイン政策における大きな転換点であったと言えます。これによって、日本でデザイン思考のブームを呼びます。
UXデザインをデザイン思考で拡大したサービスデザインを初め、社会システムの変容を扱ったシステミックデザイン、未来を考え提示するスペキュラティブデザインなど様々なデザインが提示される様になりました。
イギリスデザインカウンシルの考えたシステミックデザイン
mixPie.Design では、イタズラにブームに乗る事なく、新しいデザインの潮流を、社会をデザインする動きと捉えソーシャルデザインという名前で位置付けました。
一般にはソーシャルデザインとは「街づくり」と訳され、箱物などのハードウエアのデザインと捉えがちですが、わたしはソーシャルデザインを、リアルやネットを介したコミュニティのデザインだと捉え直して取り組んでいます。
社会(ソーシャル)はさまざまなコミュニティとして目の前に存在しています。社会に生きている上で、もやもやすることを言語化し、試しに何かを作ってみて、人に聞いてみる。そのくり返しでデザインを社会への触媒としていきます。
現在、稼働しているソーシャルデザインは
- 市民映画館を作る
- エシカルなコーヒーショップを調べる
- フェミニズムの言葉を整理する
- Whole Earthな言葉を集める
- 包括的性教育についてのテキストを集める
- さまざまなマイノリティを包含する
- 高齢独居女性の友暮らしの場をつくる
- ネットで住民対話をおこなう場を試作する
など、さまざまなソーシャルデザインプロジェクトが実施されています。これらは資本主義的なマネタイズを今すぐ可能なものではないですが、逆にウェブを中心にすることで、大きな投資がなくとも始められる大幅なコストダウンが実現可能になっています。そこが箱物のソーシャルデザインとは大きく違う点です。
mixPie.Designが考えるデザイン
前社、Kigoulabが扱ってた、グラフィック、ウエブなどのコミュニケーションデザインは成果物と位置付け、その前段階となるデザイン思考前提とした壁打ちに力を入れて行きたいと思います。
ギャレットの5段階モデル+製造2段階
鍵は「走りながら考えよう」です。